双極症(双極性感情障害)とは?
気分の異常な高揚、易怒性、活動量の増加を基本とする躁状態を示し、ほとんどの場合はうつ状態と躁状態を周期的に繰り返す疾患です。躁状態を繰り返す双極症Ⅰ型と、社会的な障害を来さない軽躁エピソードを繰り返す双極症Ⅱ型に分けられます。
躁状態の時は、気分が異常に高ぶり、根拠なく自信満々で尊大になります。ほとんどあるいは全く眠れなくても、眠気や疲れを感じずエネルギーに満ちている感じがするため、著しく活動的になります。
また、対話への欲求が高まり大声で早口で捲し立てるようになります。次々に浮かんでくる素晴らしいアイディアを伝えようとするため、話の関連性が乏しい次々に話題が変わる一方的な話し方になります。
次々に物事や企画を思いついて計画したり実行したりしますが、そもそもの考えが誇大的非現実的なことが多く、些細なことで気が散り集中できないため失敗しがちになります。
そして後先を考えない行動が増えるため、浪費して借金を作ったり無謀な運転で事故を起こしたり社会的に問題のある性行動に熱中したりします。
怒りっぽくもなるため、家族や友人や仕事関係者との関係を損ねるなど、大きな社会的な問題を起こすおそれが大きくなります。
うつ病と同様に、自殺リスクの大きい疾患である点も注意が必要です。
うつ病とは躁/軽躁エピソードの有無によって区別されますが、
- 躁状態は患者本人にとっては苦痛がないため、病識がなく自ら語ることは少ないこと
- 経過中、うつ状態の占める割合が高いケースが多いこと
- 1回目のうつ病エピソードでは判別できないこと
などから、実際は鑑別が難しいことも多いです。
このようなお困りごとに心当たりがあればご相談ください。
うつ状態
うつ病のページを参照ください
躁状態
- ほとんど寝ていないのに元気そうにしている
- 普段と違ってやたらハイテンションで自己評価が高い
- 遮るのが困難なほど一方的に喋り続けるのが目立ち、しばしば話の内容がまとまらない
- 普段以上に様々な活動や仕事をする、したがるようになった
- 急に喧嘩っ早く、上司や顧客に対しても粗暴に関わるようになった
- ギャンブルをする、高価なものを買い漁るなど金遣いがやたら悪くなった
- 派手な異性関係、性活動をするようになった
双極症の治療は?
双極症は気分エピソードの再発率が非常に高い疾患です。
気分エピソードの軽減、寛解、再発の防止を目的に、薬物治療による維持療法が必要となります。薬は気分安定薬と抗精神病薬を用い、急性期治療で有効だった種類の薬をそのまま継続することが多いです。一般的に抗うつ薬は躁状態を誘発、悪化させるため使用は避けます。
うつ症状が重い場合や激しい興奮や混乱がある躁状態の急性期には、刺激を軽減して安全かつ静穏な治療環境を作るために、入院治療が必要なこともあります。
治療開始のできるだけ早い段階で、患者本人と家族に対して心理教育を行うことが重要です。規則正しい生活リズムを維持したり、不必要な刺激やストレスを避ける生活スタイルを作ったりする対人関係社会リズム療法も、非常に有効です。