強迫症とは?
「手が不潔なのではないか?」「鍵をかけ忘れたのではないか?」という不安や苦痛を引き起こす、繰り返し持続的に生じる思考やイメージ(強迫観念)が生じ、それをやわらげ打ち消すために「長時間何度も手を洗う」「繰り返し施錠を確認する」といった過剰かつ不必要な行動(強迫行為)をすることで、時間や資源を浪費して日常生活に支障を来す疾患です。
若年青年期における発症が多く、日本人ではとくに汚染と洗浄のパターンが多いとされています。
患者が周囲に対して大丈夫という保証を要求したり、家族にも強迫行為を強要したりすることがしばしばあり、「巻き込み症状」とも呼びます。巻き込み症状に応じすぎると症状が悪化する一方で、要求を断ると暴力をふるったりパニック発作を起こしたりすることがあるため、適切な対応が必要です。
強迫症の治療は?
治療法は不安症に対するものと似ており、SSRIを中心とした薬物治療と、心理教育や認知行動療法などの精神療法を組み合わせて行います。
強迫症に用いる認知行動療法として代表的なものに「暴露反応妨害法」があります。不安や恐怖を感じる為に避けていた行為や物に敢えて直面し、その後に不安から逃れる為に行う強迫行為を一定時間我慢するという治療です。不安に思う事柄を列挙し点数付けし、点数の低いものについて短時間から取り組み、徐々に時間を延ばして繰り返し行っていきます。
ただし、患者自身は強迫行為から一定の安心を得ているため、強迫行為を妨害される治療に消極的なのが一般的です。そのため薬物治療と心理教育を先行して行い、不安の軽減と治療への意欲が得られてから、暴露反応妨害法を導入します。
治療においては、周囲の人間とのかかわり方も重要です。具体的な巻き込み症状への対応として、
- 周囲の人間が巻き込み症状について理解すること
- いきなり拒否するのではなく「1日に1回だけ」など応じるラインを定めて患者に伝えること
- 確認を求められても否定も肯定もしないこと
などが重要です。
要求を拒否したことで患者が暴力をふるう場合は、その場で制止しようとせず、一度離れて時間をおき、患者が落ち着くのを待つ方が良いです。強迫行為を批判すると、患者は隠れて行うようになり治療の妨げになる可能性もあるため、批判しないようにしましょう。
患者自身も、周囲を巻き込むとむしろ症状が悪化するということを理解する必要があります。